黒御簾音楽

昨日は静岡県コンベンションアーツセンター・グランシップで、元NHKアナウンサー山川静夫氏の講演会「ここがみどころ ききどころ」があるというので、こーちゃんとと誘い合わせて出かけてきました。
以前から興味を持っていた黒御簾音楽(下座音楽)についての講演会です。黒御簾音楽ってご存知ですか? あんまりなじみのない言葉ですけれど、歌舞伎の舞台下手にある、格子窓の中で演奏される音楽のことです。まぁ、バックグラウンドミュージック、感情表現やら情景描写を強調する役割を担っているわけで、舞台からは決して見えない・・・ 果たしてあの中はどうなっているのか?
開演前に見回すと、まぁ、会場はお年寄りばっかり・・・ ね、私たちって、平均年齢を下げてるくちよ。後ろの方からは「前立腺が・・・」なんて会話も聞こえてきます。病気自慢が始まってる! あははは

講演会の中で、実際に黒御簾の中で演奏している演奏家の三味線と長唄の実演もあり、まことに面白い講演会でありました。山川静夫氏、御年80歳ですって〜 まァ、まことにお元気。顔もツヤツヤで、三味線方を相手に「髪結い新三」の聞かせどころを演じたり・・・ これをやりたかったからこの講演会を受けたのかしら? な〜んて!
講演が始まると、ビデオで実際の黒御簾の中での演奏風景が上映されて、まぁ狭い黒御簾の中で押し合いへし合い、膝をつき合わせての演奏・・・ こりゃ大変だわ、隣で能管なんか吹かれたら脳みそが振動しちゃうよ〜
三味線の音色一つで、隅田川の流れが、或いは暗闇が目に浮かんできますからすごいものです。こういうのって、若い人たちも聞くと興味を持つでしょうにねぇ。

長唄の左側の人、三ちゃんによく似てるわよね〜 なんて二人で大笑いしちゃったり。

あっという間の2時間でした。演奏家の皆さんは、勘三郎さんの夜公演に出演なさると言うので、4時前にはそそくさとお帰りでした。