初めての経験2

昨日、名古屋から戻って来ました。まぁ、まるでボロ雑巾の如くくたびれました…
一昨日は審査で、私はこのところ東海伝統工芸展にはすっかりご無沙汰していて、昨年出品はしたのですが、見に行くことも出来ませんでしたから、下手をすれば10年近いブランクがあったわけで、久しぶりに見た東海伝統工芸展は、ちょっと愕然とするような出品数の激減振りでした。
全くの所、工芸なんて絶滅危惧種だな、と。特に諸工芸部門は昔に比べると見る影も無い… 大変な危機感を覚えたわけです。しかし、若手の作家も3人ほど出品されていて、とにかくこの人たちにはちゃんと育っていただきたいものだと、祈る思いでした。
審査後に、受賞候補作品を選んだわけですけれど、上位3賞の候補には、私も昔から大好きだった森三喜男さんの作品が選ばれ、残念ながら僅差で受賞をのがしてしまいました。次に中位賞の候補… ウチの生徒さんの石王丸文代さんの作品、充分に候補に推してもいいなと思ったのですけれど、自分の関係者ですからとても推しにくい… で、黙っていた所、外部審査員としてご参加くださっていた、名古屋市博物館調査研究員の小川幹生氏が、「これなんか私はとても良いと思いますが、どうでしょう?」と私に同意を求めてくださって、「私も良い作品だと思いますが、実はこの作者は私の生徒さんですので、私としては推したくてもちょっと憚られる気がいたしまして…」とモタモタお答えした所、即座に審査員全員のご同意をいただけて選考作品となり、無事に「安藤氏賞」をいただけました! やったね!!! うれしかったこと!!!
で、翌日は朝10時から研究会。1点ずつ批評をしなければならないわけで、喋りっぱなしの1時間。審査委員長のMOA美術館館長の全体講評の中で、石王丸さんの作品は個別に取上げて褒めていただいて彼女は感激しっぱなし。1時間ほどの研究会も終わって、その後私は、図録用の石王丸さんの作品の解説を180字で書くようにとのことで、会場の片隅で作文。提出後にお弁当をいただいて、午後の新幹線で帰って来ました。帰り着くと、3日も留守にしていたわけですから、マルが絡み付いてきて機嫌をとるのに大童でした。 (^^ゞ
5月12日には展覧会の会場で陳列品の解説をしなければなりませんので、また名古屋です。