サバやん

しばらく前から餌をねだって通ってくる野良猫がいる。サバトラ猫なので、安易なネーミングだけど「サバやん」と呼んでいる。もともとが生粋の野良猫生まれらしく全く慣れようとはしない、餌をもらう時も皿を差し出すと、とりあえずハァ〜!と威嚇してみせるくらいだ。そこがちょっと面白いわけで…
そのサバやん、このところしばらく姿を見せなかった。多分サカリがついてあっちこっちとほっつき歩いているのだろう。今までの経験では、オス猫はある日突然にそのまま姿を見せなくなってしまうこともあるわけで、いちいち心配しても始まらない。そこはサバやんの意志次第だと心得ている。
ところが、4日ほど前に、久し振りにサバやんがやってきた。あら、サバやん、久しぶりネェ、と顔を見たところでびっくり! ひどい風邪っぴきだったらしく、顔はくちゃくちゃ、真っ黒な目やにがついて、口元は鼻水と涎でひどい形相なのだ。何だか一回り小さくなったみたい…
慌てて、マル用にとってある抗生剤をまぶした餌を出してやったのだけれど、どうも鼻がやられて匂いがしないらしく食べようとしない。部屋の隅っこにうずくまってまことに情けない有様である。
困ったなぁと思ったけれど、飼い猫と違って捕まえて病院へ連れて行くわけにも行かないし、まぁ、今までありったけえさを食べて丸々と太っていたわけで、蓄えた体力は充分にあるはず。後は彼の回復力に期待するしかないかも…
で、そのまま二日がたち、昨日、やっと薬剤を混ぜた餌をたべた。その後はさすがに野良猫、あっという間に薬が効いて、食べること、食べること、この分では丁度いいくらいにスリムになった体も、あっという間におでぶちゃんに舞い戻っちゃうんだろうな〜
先ほども山盛りの餌を平らげて、さっさとどこかへ行っちゃった。あはは、こんなことにかまけているなんて、我が家も平和だわ〜〜