並河靖之七宝

昨日は東京の目黒区にある東京都庭園美術館まで行って来ました。開催されている「並河靖之七宝」展を見に、です。
並河靖之は、40年以上も前のことですけれどサントリー美術館での明治の七宝展で、四季花鳥図花瓶に出会った時以来の、憧れの七宝作家。あの時20代だった私は心の中で一生にひとつでいいから立体の有線七宝を作ってみたいと… その夜の夢に並河靖之が登場して夢の中でお話をしたりしたことを今でも鮮明に思っているくらい、つまり私の七宝作りの原点でもあるわけで。
その並河の作品が120点も纏めて見られるなんて! しかもイギリスのビクトリア&アルバート博物館の収蔵作品も来てる!
で、朝からバスに乗って東京へ。庭園美術館に着いたのは1時ちょっと前でした。ウィークデーにもかかわらずかなりの来館者がいました。
壁面の陳列ケースの他に、部屋の中央に独立したケースをかなりの数並べて展示してあり、ぐるりと周囲から作品を見ることが出来て大興奮。無料でルーペの貸し出しもあって、細かい所もしみじみと見ることが出来ました。まぁ、使っている銀線の薄いこと。私は通常、厚みが0.04ミリの銀線を使っています。これでもきわめて薄い銀線を使うといわれているわけですけれど、並河の使っている銀線はそれどころじゃない、0.02ミリ? それとも0.01? 花瓶の裾や口元には釉止めの役割でしょうか、直径が1〜2ミリの丸く折られた銀線がびっしりと並んで、横幅が1センチにも満たない笹の葉には5〜6本の葉脈が美しく並んでいました。

私は何をやってるんだろう? 私の作っている七宝なんて…と、ちょっと情けなく思ったくらい。まぁ、並河の作品と比べるなんて全く持っておこがましい限りなんですけれどね。 (^^ゞ
そんなこんなで2時間余り。見終わって外に出ると、突然に「先生!」と呼びかけられ、びっくりして振り返るとそこには立川市からお稽古に通ってくるTさんが。あらまぁ〜〜
聞いてみると丁度同じような時間に見ていたみたい。帰りのバスまでにはちょっと時間があったので、目黒駅の近くのドトールでお茶しながらの七宝談義(?)二人とも大興奮で。
で、帰宅したのは8時半。長い留守番だったマルに急かされて夜のお散歩をして、9時半頃、もうだめ〜〜〜寝よう。で、今回は夢も見ないで8時間も寝ちゃった〜〜

このところ、ハードに仕事をして、制作日誌も始めましたけれど、HTMLファイルにどこか記述間違いがあるらしくて、何枚かの写真が表示されず、記述間違いを探すのが面倒でそのままになっています。つまり、銀線を立てたところの写真が表示されていません。そんなこんなで一番差までは終わって、あとはアトリエ展終了後の4月半ばから仕事再開の予定です。