ネーミング

我が家のTV はいつも点けっぱなしである。やはり一人暮らしだから物音が欲しいのかもしれない。時々CDをかけたりもしているのだが、単に音が欲しいだけなのだからつけっぱなしのTV のほうが手間がかからない。で、今朝ほどのこと、銀箔の貼り込みをしていた時、TVから熟成の話が流れてきた。今は熟成ばやりなのだそうだ。

昔から、肉は傷みかけのころが旨いなんて話はあったけど、よほど管理のいいところでプロの手にかかったものじゃなければイヤよね~ 食中毒になっちまう。ま、私はグルメじゃないから、そんなものは好んで食べたりはしないのだ。

そのうちに、「家庭で簡単にできる熟成があります。」って… え? 家庭で熟成をするわけ? くわばら、くわばら、だぜ~~~ 何をするっていうのかしら?

思わず手を止めてTVを見た。「家庭で手軽に熟成できるものには野菜があります。」

そりゃそうだよね、生肉や生魚を家庭で熟成させてそれを食するなんて恐ろしい… 軽く済んで蕁麻疹だ。で、野菜の熟成ってなによ?

見ていると、こりゃ単なる野菜の浅漬けじゃないの。しょっちゅう作っているよ。浅漬けに仕込んで1週間くらいが経つと酵母の作用で酸味が乗ってくる。それを古漬けになっちゃったっていうのよ! 何が熟成野菜だ! あほくさ…

ま、確かに少し酸味が乗りかかってきた浅漬けは滅法旨いけどね。浅漬けのいいところはそれぞれの過程の味が楽しめるところにある。つかりの浅いものから古漬けまで、多様な味が楽しめるわけだ。白菜・キャベツ・キューリ・ナス、なんでもおいしいよ。ざく切りにして軽く塩をまぶして、10分ほど放置。少し水が出かけたころに揉んで、昆布だしを加えたり、時期によってはゆずの皮や柿の皮の千切りを入れたり。このところ、私はキューリとセロリの浅漬けに凝っているのだ。

だけど、古漬けが「熟成野菜」かぁ~ 単なるネーミングの違いなのだろうけれど、古漬けじゃ食べないけれど、熟成野菜よ~と言えばそのネーミングをありがたがって食べる人もいるってわけだ。さもないものを大層なネーミングで、「お題目」いっぱいくっつけて売る、今の時代は何でも「お題目」が肝心なのだろう。やっぱり、あほくさ…