旧交を

1週間ほど前、大学時代の文芸部仲間のK氏から突然の電話をいただいて、一昨日、静岡駅の構内にある「大作」という居酒屋で一杯やってきました。やはり文芸部仲間だったA氏が病に倒れ、その見舞いに行ったという話。何やら身につまされる所があったのだと思います、今生の別れをしに来たんですって。この後、甲府に行って、それから信州を廻って、それぞれ友人の所を訪ねるとのことでした。その元気があれば、当分今生の別れにはならないでしょうに〜
下手をすれば50年ぶりの再会です。顔を合わせても分からない可能性がありますから、携帯番号を交換して、とりあえず5時に新幹線の改札口の前で待ち合わせの約束をして、5時にそこへ行ってみるとそれらしき年代の男性が何人か人待ち顔でたたずんでいる。さて、どの人だろう? で、携帯をかけてみる。「え?約束は6時だろう?」 
「あら、やだ〜 5時じゃなかった?」どっちがボケたかは謎である… 私だって自分の記憶には全く確信が持てないわけで…
「いいわよ、ここでなら時間つぶしには困らないから、慌てないで改札についたら電話してよね。」
で、時間つぶしに駅構内にある「駿河楽市」という地場産業を扱っている店に行ってみました。そうしたら、全く偶然に漆芸作家の新井氏が実演してたの〜 「駿河蒔絵師展」が開催されていたようでした。
あら〜〜新井さん、お久しぶり〜〜〜
おぉ〜〜クキサンかぁ〜 久しぶりだネェ〜〜
そこで、新井さんと、やはり居合わせた漆芸作家の細田さんと3人で立ち話。昔話に花が咲いて。新井さんや細田さんとはかれこれ30年来のお付き合いで、一緒に日本伝統工芸展に作品を出してすべったりころんだりした間柄です。ここ10年近くは新井さんが静岡の漆芸協会の理事長になって、とても作品を作っている暇がなくなったと、ちょっと疎遠になっていましたけれど。
それから、彼らと別れて歩いていると携帯が鳴って、無事にめぐり合えました。
で、大作へ入って、生シラスやら、静岡名物の黒はんぺんの焼き物、お刺身等々で一杯やりながらここでも昔話に花を咲かせて2時間ほど。すっかりご馳走になっちゃいました〜
まぁ、楽しかった〜〜 昔の友人とはどことなく気心が知れていて、何十年ぶりでも身構える必要がないからいいものです。
思いがけず、いろんな人と旧交を温めた一日でした。

並河靖之七宝

昨日は東京の目黒区にある東京都庭園美術館まで行って来ました。開催されている「並河靖之七宝」展を見に、です。
並河靖之は、40年以上も前のことですけれどサントリー美術館での明治の七宝展で、四季花鳥図花瓶に出会った時以来の、憧れの七宝作家。あの時20代だった私は心の中で一生にひとつでいいから立体の有線七宝を作ってみたいと… その夜の夢に並河靖之が登場して夢の中でお話をしたりしたことを今でも鮮明に思っているくらい、つまり私の七宝作りの原点でもあるわけで。
その並河の作品が120点も纏めて見られるなんて! しかもイギリスのビクトリア&アルバート博物館の収蔵作品も来てる!
で、朝からバスに乗って東京へ。庭園美術館に着いたのは1時ちょっと前でした。ウィークデーにもかかわらずかなりの来館者がいました。
壁面の陳列ケースの他に、部屋の中央に独立したケースをかなりの数並べて展示してあり、ぐるりと周囲から作品を見ることが出来て大興奮。無料でルーペの貸し出しもあって、細かい所もしみじみと見ることが出来ました。まぁ、使っている銀線の薄いこと。私は通常、厚みが0.04ミリの銀線を使っています。これでもきわめて薄い銀線を使うといわれているわけですけれど、並河の使っている銀線はそれどころじゃない、0.02ミリ? それとも0.01? 花瓶の裾や口元には釉止めの役割でしょうか、直径が1〜2ミリの丸く折られた銀線がびっしりと並んで、横幅が1センチにも満たない笹の葉には5〜6本の葉脈が美しく並んでいました。

私は何をやってるんだろう? 私の作っている七宝なんて…と、ちょっと情けなく思ったくらい。まぁ、並河の作品と比べるなんて全く持っておこがましい限りなんですけれどね。 (^^ゞ
そんなこんなで2時間余り。見終わって外に出ると、突然に「先生!」と呼びかけられ、びっくりして振り返るとそこには立川市からお稽古に通ってくるTさんが。あらまぁ〜〜
聞いてみると丁度同じような時間に見ていたみたい。帰りのバスまでにはちょっと時間があったので、目黒駅の近くのドトールでお茶しながらの七宝談義(?)二人とも大興奮で。
で、帰宅したのは8時半。長い留守番だったマルに急かされて夜のお散歩をして、9時半頃、もうだめ〜〜〜寝よう。で、今回は夢も見ないで8時間も寝ちゃった〜〜

このところ、ハードに仕事をして、制作日誌も始めましたけれど、HTMLファイルにどこか記述間違いがあるらしくて、何枚かの写真が表示されず、記述間違いを探すのが面倒でそのままになっています。つまり、銀線を立てたところの写真が表示されていません。そんなこんなで一番差までは終わって、あとはアトリエ展終了後の4月半ばから仕事再開の予定です。

もぐら

朝からの仕事に飽きて、昼過ぎにマルを連れてお散歩。暖かい日差しが一杯ですから、山の方へ行ってみようか? と。そろそろ冬毛が抜ける頃だからなのでしょう、マルはしきりに道端の草を食べたりして。
で、裏山のてっぺんにある会社の保養所まで行って、眼下を見下ろすと春霞なのか、花粉なのか、はたまたPM25か… 清水の町は冬とは違って何やら霞んで見えましたっけ。
で、その帰り道。いつもは後になり先になり、ちょびちょびと小走りに私の脇を歩いて帰るのですが、気がつくとマルがいない。あらま、どこへ寄り道した? で、戻りかけると藪の中からマルが飛び出してきた… あらま、口に何かくっついてる。落ち葉なんかくっつけて〜〜
私の足元まで走ってきて、ポロリと落としたもの。あらら〜モグラじゃないの!! 体長7〜8センチのモグラの子供です。
可哀相だから逃がしておやり、と言ったって何だってききゃしない。道端でラグビーしてる… 
埒があかないから私は家へ帰り、マルはしばらくラグビーゲームに興じたみたい。
暖かくなって活動し始めた初っ端に猫に捕まるなんて、ドジなモグラだこと。
しばらく経って様子を見に行くと、やはり逃げられたらしくモグラの姿は見えず、マルは道端で毛づくろい中でした。今日のマルは大活躍、老猫も春になると元気づくのかしら?

暑さ寒さも・・・

暑さ寒さも彼岸までって言いますけれど、今日の静岡は曇り空で、さほど暖かくはありませんでした。明日は暖かくなりそうですけれど。
それでも散歩をしていると、足元には「ホトケノザ」が一杯咲いて、アケビも小さいけれどつぼみをつけています。我が家では桃の花がそろそろ終わりがけ。やっぱりもう春ですネェ。
昨日は彼岸の入りとて、お寺参り。主人の方と私の実家と2ヶ所廻るとやはり半日仕事です。どちらのお寺もお墓までは長い石段で、いつまで来れるのかしらね、と、毎回思うけれど、まだ手すりに頼らずに上れるからもうしばらくは大丈夫そうです。
このところ、来月14日から16日までのお教室展のDM作りやら何やらと雑用に追いまわされていました。それもやっと一段落で、後はちょっとアクセサリーでも作ってと。
今年の作品、やっと構想がまとまりました。もう少ししたら、また制作日誌を開始します。お楽しみに!

サバやん

しばらく前から餌をねだって通ってくる野良猫がいる。サバトラ猫なので、安易なネーミングだけど「サバやん」と呼んでいる。もともとが生粋の野良猫生まれらしく全く慣れようとはしない、餌をもらう時も皿を差し出すと、とりあえずハァ〜!と威嚇してみせるくらいだ。そこがちょっと面白いわけで…
そのサバやん、このところしばらく姿を見せなかった。多分サカリがついてあっちこっちとほっつき歩いているのだろう。今までの経験では、オス猫はある日突然にそのまま姿を見せなくなってしまうこともあるわけで、いちいち心配しても始まらない。そこはサバやんの意志次第だと心得ている。
ところが、4日ほど前に、久し振りにサバやんがやってきた。あら、サバやん、久しぶりネェ、と顔を見たところでびっくり! ひどい風邪っぴきだったらしく、顔はくちゃくちゃ、真っ黒な目やにがついて、口元は鼻水と涎でひどい形相なのだ。何だか一回り小さくなったみたい…
慌てて、マル用にとってある抗生剤をまぶした餌を出してやったのだけれど、どうも鼻がやられて匂いがしないらしく食べようとしない。部屋の隅っこにうずくまってまことに情けない有様である。
困ったなぁと思ったけれど、飼い猫と違って捕まえて病院へ連れて行くわけにも行かないし、まぁ、今までありったけえさを食べて丸々と太っていたわけで、蓄えた体力は充分にあるはず。後は彼の回復力に期待するしかないかも…
で、そのまま二日がたち、昨日、やっと薬剤を混ぜた餌をたべた。その後はさすがに野良猫、あっという間に薬が効いて、食べること、食べること、この分では丁度いいくらいにスリムになった体も、あっという間におでぶちゃんに舞い戻っちゃうんだろうな〜
先ほども山盛りの餌を平らげて、さっさとどこかへ行っちゃった。あはは、こんなことにかまけているなんて、我が家も平和だわ〜〜

悲喜こもごも

今日は嬉しい知らせと残念な知らせがいっぺんに届きました。

嬉しい方は、生徒さんの石王丸さん、東海伝統工芸展で受賞でした。今年の作品、本人は何だか気に入らない部分があって、出したくない気がするなんて言っていたけれど、「作者はしくじった所しか目に入らないものだけれど、見る側の見方は全く別物よ。いい作品だから出しなさいよ〜」といって送り出したものです。
本人曰く「何だか複雑な気分です…」って。ま、それも判るような気がしますけれど、でも客観的な評価をいただいたことは本当に喜ぶべきことですよ〜!!

残念な方は、東京支部展に出品したさやかちゃん、選外でした。この作品は、本人が素地も鍛金で作ったものだし覆輪も自分で制作しました。まぁ、鍛金を始めて日が浅いし、覆輪がちょっと隙間が開いちゃって蓋が少しずれます。ここを衝かれるとちょっとヤバいかもね、と話していたんですけれど、やっぱりそこだったかもしれません。七宝にしても鍛金にしても、それなりの作品を作り出せるようになるためにはそれなりの年月がかかるものだし、彼女、まだ40代なのだから、まだまだこれからです。早々と入選するばかりがいいことじゃなし、やっぱり私の経験から言っても、選外にされちゃった時の方が学ぶことが多かった… 今後に期待です!!

と言うことで私としても悲喜こもごもの一日でした。
私といえば、4枚目の試し焼きの平板、1日がかりで植線を終わった所です。今年はなにやらてこずっています。ま、そんな年もありますわ。(^^ゞ
焦らず気負わず、のんびりと、です。
来月14日〜16日、アトリエ展を予定していますので、そろそろDMやら何やら、アトリエ展のための雑用が始まりますしね、がんばらなくっちゃ!!