ペルー人のおじさん或いはおにいさんたち

ここ数年来の悩みの種がありました。我が家は斜面に建っていますので、仕事場は玄関から見ると地下、つまり階段を15段ほど下っています。そこに据えてある、もう使わない立て炉と研磨機・・・ 共に何十キロあるのだろう? と言う重さで捨てようにもビクとも動かない。両方とも結構な大きさで邪魔なんだけどなぁ。これが私の終活の大問題の一つでした。
で、先日、陶芸教室に行った折に聞いた話。何でも、金属ゴミはないか、と、ブラジル人のお兄ちゃんたちが現れて、そこいらにほかしてある金属ゴミを全部持っていってくれたとのこと。
ねぇ、その人たち、清水までは来てくれないかしら? 何のかんのと軽トラ一杯分くらいはあるのだけれど。もし、また見かけたらちょっと声をかけてみてくれない?
その後、半月くらい経ってから陶芸教室の先生から電話が入り、今度はペルー人の二人組が来たから訊いてみたら清水まで行きますって言ってたぞ、とのことでした。
早速お願いして日時を決めて、2トントラックで来ると言うので、少しでも多い方がいいだろうとご近所にも声をかけてみました。そうしたら、お寺さんで古いボイラーと水タンクを何とかしたいと。見に行ってみたらボイラーもタンクも私の背丈ほどあり、これ、動かせるかしら??? と、ちょっと不安・・・
で、昨日、朝9時半頃にペルー人のおじさん或いはおにいさん(ペルー人の年齢はどうも見当が付かない。)が現れ、とりあえずウチのゴミ、これ、上まで持ち上げなくっちゃならないんだけど。
彼らは声をそろえて「ダイジョーブ、ダイジョーブ!!」
それからお寺に連れて行って、ボイラーとタンクを見せたら。「ダイジョーブ、ダイジョーブ!!」まずは大きなモノからと、お寺の裏庭にトラックを異動して、まぁ、わっせわっせとよく働くこと! 2時間もかからないでそれらの全てをクレーンもなしにトラックに積み込んで・・・ お兄さんたち、力もちねぇと言うと、また、「ダイジョーブ、ダイジョーブ! チカラモチ!!」
次はウチのゴミですが、お寺のボイラーを見た後ではウチのゴミのちいさなこと〜
ま、まず一休みしてよ、と、コーヒーブレイク。あり合わせのお菓子も振舞って、それからウチの炉と研磨機、裏にあった古い、屋根に穴の開いてしまった納屋、これは錆付いてボルトがはずれないんだけど、あっという間に畳んでしまった! 後は何十年来溜め込んだ銅版の切れ端やらもう使うわけもないつるはしやら何やら、結局2トントラックには隙間がないほどの金属ゴミが積まれて、回りには落とさないようにコンパネを立てまわし、きっちりロープで括りつけて、まことに見事な誠実な仕事ぶりでした。隙間なく良く考えてきっちりゴミを積むそのやり方にもちょっと感動しちゃって、帰りがけには「お弁当代にしてね。」と1000円ずつチップを渡して、車の中で食べてね、とみかんを一袋。
お二人とも、とても丁寧にお辞儀をして、「おかぁさん、いい人。いつでも呼んでくれたらまた取りにくるからね〜」ですって。 (^^ゞ
生まれ故郷を遠く離れて、片言の日本語で一所懸命に汗水垂らして働いている姿に、何やら深く感動を覚えた一日でした。人間って本当はこうあるべきだよね・・・って。