「知られざる在外秘宝」

並川靖之のと共にいただいた「知られざる在外秘宝」のDVD4枚の内、2枚を夕べ見ました。
そのNo.2の「発見された桃山japan」は大変興味深いものでした。たしか私の記憶では「japan」は英語で漆・漆器を表しているはずです。「shippou」も英語で有線七宝を表すということも聞いたことがあります。まァ、これは余談ですけど。
スペイン各地の教会には30近い螺鈿の聖櫃があるのだそうです。それも、年に一回の御開帳以外は外箱に収められているので、400年を過ぎてもほぼ完璧に近い保存状態で… 極めて大切に保管され続けているのだそうです。これは、桃山時代に布教のため日本を訪れた宣教師たちが日本の螺鈿の美しさに驚嘆し、聖櫃に使おうと発注して持ち帰ったものたちなのですって。
他にも、日本の漆芸の黒の美しさにヨーロッパは熱狂して、その漆の黒の深さをヨーロッパで入手が可能である別な素材で表現しようと様々な塗料が開発されて、その辺りからピアノの黒塗料が開発されたとか。漆の艶やかな黒、その気品を手に入れようと。
また、マリー・アントワネットが処刑の直前に愛用していた螺鈿の収集品だけは守ろうと、美術商に託した、とか、様々なエピソードが語られていました。知らなかったことばかり!
そこでふと考えました。常々思っていたことではあるのですが、日本の教育はどうして西洋のことばかり教えているのだろう? 
明治以降の徹底した欧風化がその発端なんでしょうけれど、音楽だって西洋音楽一点張りだし、日本のことを教えようとしなさ過ぎる… 全く価値のないもののように扱いすぎる。そのことって、本当は緊密に日本人の根っこに繋がるものなのだろうと私は思うのだけれど。