蝶の舌

5月頃に、と、頼んであった植木の剪定が遅れに遅れて、今日来てくれました。忘れられちゃったのかと思ったわ〜 梅の木に何やらワケのわからない虫が一杯ついていて、余りの気持ち悪さにキンチョールをばらまいて、ずっと植木屋さんを待ってたのよ!
毛虫かい?
ううん、そう言うのじゃなくて多分アブラムシの類じゃないかしら。動かない虫よ、アブラムシにしてはすごく大きいの。大豆くらいの大きさよ。一列になって、何十匹もいるのよ。気持ち悪くって、側へも寄れないの〜 今までに見たこともない虫よ。
おぉ〜これかぁ。俺も見たことないな。
そんな説明をして後はお任せ。私は部屋でのんびりとDVD鑑賞でした。

見たのはスペイン映画の「蝶の舌」 スペイン内戦前夜の物語です。主人公の、喘息持ちで一年入学が遅れた人見知りの子どもモンチョが出会った学校の老教師グレゴリオ先生。彼は実に様々なことを子供たちに教えてくれます。人生、自由、知、自然の驚異・・・キミたちは自由に飛び立ちなさい。
蝶に興味を持つモンチョに、「蝶も舌を持っているんだよ。普段はまるでゼンマイのように巻き取ってしまってある。花の蜜を吸う時だけにはその舌を花の中に差し込んで吸い上げるんだ。頼んである顕微鏡が届いたら、みんなで蝶の舌を見よう。」と語りかけます。モンチョは先生が大好きで。
そんな好奇心にみちたモンチョの日々は突然に終わります。スペイン内戦が始まったのです。共和派だった人々は弾圧を受けます。捕らえられた人々に向かって、大人たちは、自分や家族も共和派とみなされて弾圧を受けることを恐れ、心にもない罵りの言葉を彼らに投げつけます。モンチョも母に言われて、連行されるグレゴリオ先生に「アテオ!(不信心者!)」と叫びます。そして母の手を振り切って先生たちを乗せた車の後を追いかけながら大きな声で再び叫びます。「蝶の舌!」 モンチョはその言葉の中に、どれほどの思いを込めたのでしょう・・・

不覚にも涙が出てしまいました〜 (^^ゞ