元気のおすそわけ

久しぶりに、枚方市に住む長姉に電話をしました。
私よりも18も年上の、腹違いの、私が幼いころは忙しい母にかわって母親代わりに面倒を見てくれた姉で、もう80になります。大阪はこの夏、酷暑が続いているようですので、元気でいるかしら? と、少し心配になって…
案の定、少々夏ばて気味らしく、いつもは元気いっぱいのきわめて陽気な姉なのですが、声に元気がありませんでした。
「どうしたん、ねえちゃん、声に元気がないじゃないの〜」
「いやぁ、年やねぇ、こんなに暑さが堪えたのは初めてだわ。」
「年のせいじゃないよ、今年はみんな軒並みまいってるわよ〜 この私がニュースを聞いて心配になってこうして電話してるくらいだもの。」
いろいろ話しているうちに、マンションに越してから人との係わり合いが薄くなって外に出る気もしないとか、一緒に暮らしている娘も仕事が忙しくて話し相手にもならないとか…
姉が愚痴っぽい話をするなんて、初めてのことです。こりゃ、ちゃんと聞いてあげないといけないなぁと思って長話。そのうちにだんだん、いつもの姉らしく声が元気になってきて。

年をとると、どんどん人間関係が希薄になってくるわけで、やはり人は他者と関わることなしに世間が狭くなると元気を失うのかもしれません。

「でもね、姉ちゃん、義兄さんも元気で夫婦そろってるんだから、姉ちゃん幸せなのよ、もりもり食べて元気に陽気にしてなくっちゃね〜」
「うんうん、久しぶりにアンタの声を聞いたら元気が出てきたわ! また、たまには電話頂戴ね〜」
「うんうん、時々電話するね!」
子供のころに随分可愛がってくれた姉ですもの、たまには姉さん孝行もしなくっちゃ!
遠く離れて暮らしている親や兄弟たちに、たまには元気のおすそ分けで声をかけることも大切なのかもしれませんね。