日本文化・・

昨日は再び三島市の佐野美術館へ行ってきました。今回展示されている幕末・明治の金工作品を所蔵していらっしゃる、京都の清水三年坂美術館の村田理如(まさゆき)館長の講演会があったからです。タイトルは「幕末・明治の超絶技巧〜コレクターの視点から〜」ということで、午後2時から2時間ほどの講演でした。
私は、金工に関しては全くの門外漢。工芸という分野は、ある意味、きちんとした知識がないと見ても十全にはわからない、つまり「見ても見えない」というところが多々あり、そういった意味でとても楽しみにして参加しました。
映し出される作品の数々に、丁寧にその技法や見所を解説していただいて、いちいちびっくりしながらの2時間はあっという間に過ぎて・・・
幕末・明治という時代は、大変な技術を持った刀剣師や甲冑師たちが、甲冑も刀剣も需要がなくなりいわばリストラ、職を失い転身する形でその技術を持って工芸の分野に乗り出し、また政府も新興国としての日本の名を世界に売り出すために万博などでその工芸作品を大いに利用した時代なのだそうです。
今では、その時代の優れた金工や七宝の作品はたまにオークションなどに出ると数千万の値段が付くくらい世界的に評価されていて、ほとんどがどんどん海外に流出しているのだそうです。その割には国内では全くの無名状態で、流出するに任せるしかなく・・・ 日本人は日本の文化に対しての興味がなさ過ぎると嘆いていらっしゃいました。
そうなんですよね・・・ 小学校・中学校あたりから始まる美術や音楽教育はほとんどが西洋一点張りに偏り、日本文化の教育なんてほとんどなされていないのが現状ですもん。文明開化以来、ある意味では日本文化はないがしろにされ続けてきたのかもしれません・・・
世の中が忙しくなると共に効率主義に陥るばかりでその技術もどんどんと廃れているのが現状だとか。
まぁ、私もその工芸家の片隅、端っこにへばりついているゴミみたいなもんですけれど、それなりに厳しくてもがんばらなくっちゃな〜としみじみ思いましたっけ・・・ (^^ゞ