昨日は立体の初心者教室でした。丁度お稽古が始まって間もないころ、私がひとしきり手順の説明と銀線のカーブ出しを実演した後、生徒さんたちはそれぞれ植線と格闘を始めていて、手が空いたのですることもなく窓から外を眺めておりました。
窓の前には花桃の木があり、そこへどこからともなく1匹の虫が飛んできて、花桃にとまりました。丁度小指くらいの大きさです。止まったとたんに雲の切れ目から射した日差しに虹色に光った虫、な、なんと玉虫でした!
あら~~玉虫よ! この辺りにもまだいるんだ~ 何十年ぶりかに見る玉虫です。早速外に飛び出して、そっと気配を殺してそばに行き、スマホで写真を撮りました。逃げもせずゆっくりと花桃の幹を這い上っています。
10代の終わりころ、一人旅で奈良の浄瑠璃寺を訪れたことがあり、その時に浄瑠璃寺の庭の古木の幹に玉虫が止まっているのを見たことを思い出しました。それはかなり鮮烈な思い出であり、いまだに強烈に脳裏に浮かんできます。あの頃はほとんど観光客もおらず、静まり返った庭だった…
ひょっとしたらそれ以来かもしれない。昨今の暗いニュースばかり続く毎日ですけれど、何だかいいことがありそうな気がしましたっけ。