訃報

今日、日本工芸会から会報と会員名簿が送られて来ました。いつもだとほとんど会報なんか見ないで本棚にしまいこんでしまうのですが、どういうわけかペラペラとページをめくっているうちに、会員異動の欄が目に留まり・・・
物故者の欄に上沼緋佐子さんのお名前が・・・ うそっ、確か私よりいくつかお若かったのに・・・
上沼さんはかなり前から「泥七宝」に取り組んでこられて、最近は凡字を取り入れた宗教的な匂いのする作品を作っていらっしゃり、私とは全く傾向が異なるのですが、興味深い作家のお一人だったのです。
驚いて、ご病気だったのかしら? それとも事故? と、ネットで検索して見ましたところ、5月にご自宅の火事で亡くなられたようでした。5月・6月といえば、伝統工芸を目指している作家にとってはまるで戦場にでもいるような勢いでへとへとになりつつ仕事をしている時期ですから、疲れすぎて何かの不始末をしてしまったのかしら、などと考えています。お一人暮らしだったようですから、ついうとうとしてしまっても誰も起こしてはくれませんしね。ちょっと身につまされます・・・
工芸会の会報と一緒に配達されてきた6月に開催された高校の同窓会の報告のハガキには、同学年の物故者が30名だったと。420名中30人か〜 その中に私の主人も入るんですけどね。
まぁ、私とて、明日があるかどうかの確信の持てない年齢に来ているわけで、確かに毎年、この作品が私の最後の作品になるかも、などと思いつつ仕事をしているということもある・・・ ま、それはそれで仕方がない、いずれは死ぬのだから・・・ 出来るうちにはちゃんと仕事しなくっちゃ・・・
私の好きだった上沼さんの作品です。素敵でしょう?

合掌。